よく問題に出てくる有効核電荷の求め方を解説するよ。
求めるには遮蔽定数と呼ばれる値が重要なんだ。
軽く流れで読んでみて。
有効核電荷とは?
有効核電荷の定義としては
最外殻電子が原子核から実際に受ける引力の大きさを表す値
なら原子核の引力の大きさ、すなわち原子番号の値が有効核電荷の値と思うじゃん。
でも違うんだ。次の規則で有効核電荷は求められる。
スレーターの規則
定義としては、
Zeff=Z-S
Zeffは有効核電荷、Zは原子番号。
じゃあSは?これは遮蔽定数と呼ばれる値。
遮蔽定数とは、最外殻電子より内側にある電子たちの遮蔽の大きさ。
簡単に言うと、最外殻電子が原子核から受ける引力を電子たちがどれだけ邪魔してるか表してる値。
遮蔽定数Sの求め方
次のようなルールに従って遮蔽を求める。今回はSiの2p軌道電子を例に挙げてみる。
1.軌道を次のようにグループ分けする
[1s] [2s,2p] [3s,3p] [3d] [4s,4p] [4d] [4f] [5s,5p] …..
Siの2pの場合 [1s2] [2s2,2p6] [3s2,3p2]
2.求めたい電子と同じ主量子数nのグループの遮蔽は0.35(n=1の場合0.30)、属するグループより 外側のグループの遮蔽は0。※同じ主量子数ってのは、数字が同じってこと。
Siの2pの場合 0.35×7+0×4
3.求めたい電子の主量子数nより1つ小さいn-1のグループの遮蔽は0.85。それより小さいグループの遮蔽は1。d,f軌道の電子を求めたい場合、nより小さいグループの遮蔽はすべて1。
Siの2pの場合 0.85×2
4.求めた遮蔽を足し合わせて、遮蔽定数Sを求める。
Siの2pの場合 S=0.35×7+0×4+0.85×2=4.15
こんな感じ、後は原子番号から遮蔽定数を引けば有効核電荷が求められるよ。求めたい電子が属するグループによってルールが変わることに気を付けて!
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